生活習慣病や喫煙、不整脈などにより血流が悪くなると固まって塊(血栓)が出来る可能性があります。血栓が脳や心臓に詰まると命にかかわる重大な病気を引き起こすため、血を固まりにくくする薬、つまり「血をサラサラにする薬」が必要になります。当院では様々な「血をサラサラにする薬」を備えていますが、そのうちの一つ「バイアスピリン錠」についてご紹介します。
「血をサラサラにする薬」は大きく分けると抗血小板薬と抗凝固薬の2種類に分けられますが、バイアスピリン錠は抗血小板薬であり、血小板の働きを抑えて血をサラサラにする役割を果たします。有効成分はアスピリンで、解熱鎮痛薬の「バファリン」と同じ成分です。
アスピリンは、1897年にバイエル薬品の研究室で人類が初めて化学合成に成功した薬品として誕生しました。そのルーツは、古代ギリシャの医師ヒポクラテスがヤナギの樹皮を解熱鎮痛のため使用したことに遡ります。18世紀にはヤナギの木に含まれる「サリチル酸」が有効であることがわかったのですが、サリチル酸はとてつもなく苦く、胃腸障害も顕著でした。その後バイエル薬品の研究者ホフマンの手により、酢酸と反応(アセチル化)させることで副作用の軽減が成功したのです。実は、ホフマンの父親はリウマチの治療でサリチル酸を服用していました。副作用に苦しむ父親を何とかしたいと思うホフマンの熱意がきっかけでアセチルサリチル酸(アスピリン=バファリン)がうまれたのです。
アスピリンには血小板の働きを抑え、血をサラサラにする作用があり解熱鎮痛剤の1/3くらいの量で十分効果があります。120年以上の歴史があり非常に安価な薬として提供されているのがバイアスピリン錠です。長期使用により胃が荒れる場合があるため胃薬と一緒に処方されることが多い薬ですが、コストパフォーマンスの高い優秀な薬です。
「血をサラサラにする薬」は効きすぎると出血しやすくなる副作用があります。休薬や中和剤の使用で安全な治療が可能になっていますが、便の色が黒くなるなど気になる症状が現れた場合は主治医や薬剤師にご相談ください。