パーキンソン病
パーキンソン病とは・・・症状・概要
神経伝達物質の1つであるドーパミンの産生が低下し、 手のふるえなどの症状を呈するようになる病気です。
人口10万人あたり100~150人程で出現し、今後高齢化が進みさらに患者数は増えると推測されています。
原因は、中脳の黒質にある神経細胞が何らかの原因で減少した結果、そこと繋がった大脳基底核とのドーパミンによる連絡が障害されます。
遺伝や加齢、薬物などの要素が複合して関連していると推定されています。
パーキンソン病には4大症状と呼ばれる典型的な症状があり
① 安静時振戦 (手足がふるえる)
② 無動 (動作が遅い)
③ 筋強剛 (筋肉がこわばる)
④ 姿勢反射障害(前かがみになり転びやすい)
など様々です。
パーキンソン病の重症度
Hoehn&Yahr(ホーン&ヤール)の重症度分類 | 生活機能障害度(厚生労働省研究班) | ||||
Stage | 症状 | 生活への影響 | Stage | 生活への影響 | |
Ⅰ | 片側のみ症状がある | 日常生活にはほとんど影響がない | Ⅰ | 日常生活、通院にはほとんど介助を要さない | |
Ⅱ | 両側に症状がある | 日常生活はやや不便だが可媒 | |||
Ⅲ | 姿勢反射障害がみられ活動が制限される | 自力での生活がなんとか可媒 | Ⅱ | 日常生活、通院に介助を要する | |
Ⅳ | 重篤な障害がみられるが歩行はどうにか可媒 | 生活に一部介助が必要 | |||
Ⅴ | 立つことが不可媒 | ベッド上または車いす生活 | Ⅲ | 日常生活に全面的な介助を要し、歩行、起立が不可能 |
特定疾患の認定には、診断基準によりパーキンソン病と診断された者のうち、Hoehn&Yahr重症度Ⅲ度以上で、かつ生活機能障害度Ⅱ~Ⅲ度の者とする(厚生労働省Parkinson病診断基準2003年)。
パーキンソン病の治療
治療は、ドーパミンという物質が不足しているのを補うお薬を飲んだり、ドーパミンが不足することで相対的に増えてくるアセチルコリンという物質を抑制するお薬を飲んだりするのが一般的ですが、お薬が効かない重症例には手術(脳深部刺激療法)でふるえをとめたり
する事もあります。
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症状の緩和のためにFUS(MRガイド下集束超音波治療)も保険適用となっています。
しかし、基本的には進行性の病気のため、完全に治療するのが困難な場合も少なくありません。
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