脳梗塞とは、脳動脈が狭くなったり(狭窄)、塞がってしまったり(閉塞)して、必要な血液を得られない脳組織細胞が死んでしまう疾患です。
障害された部位によって様々な神経症状をきたします。
脳の細胞はほとんど再生しないので、脳梗塞で失われた機能は取り戻せません。実際に寝たきりの原因疾患の第1位であり、発症予防とともに、早期リハビリテーションによるADL向上、社会復帰が重要となります。
アテローム血栓性脳梗塞 | 心原性脳塞栓症 | ラクナ梗塞 | |
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頻度 | 34% | 27% | 32% |
危険因子 | ・高血圧 ・脂質異常症 ・糖尿病 ・大量飲酒 ・喫煙 |
・心疾患 (非弁膜症性心房細動など) |
・高血圧 |
原因と病態 | 血栓性機序の場合 アテローム硬化により狭くなった血管に、血栓が形成され閉塞する。 |
心臓内にできた血栓の一部が遊離し塞栓子となり、脳動脈を閉塞する。 | 血栓性機序の場合 高血圧の持続によって血管壁の変成が起こり、血管が閉塞する。 |
症状 | 典型的には安静時に発症することが多い(睡眠中に発症、起床時に気づくなど)。 片麻痺、構音障害などに加え、ときに失語や意識障害がみられるときに症状の階段状の悪化を認めることがある。 |
典型的には活動時に突然発症し、短時間で症状が完成する。 片麻痺、失語の他、意識障害を多くみとめる広範囲な梗塞巣となり、重篤な症状になることが多い。 |
症状は運動障害のみ、感覚障害のみなど比較的軽いことが多い。 予後は一般に良好だが、繰り返すと脳血管性認知症やパーキンソン病の原因となることがある。 |
一過性虚血発作(TIA)とは、脳に行く血液の流れが一過性に悪くなり、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れ、24時間以内、多くは数分(2〜15分)以内にその症状が完全に消失するものをいいます。
TIAが臨床的に重要になるのは、脳梗塞の前触れになるからです。TIAがあった場合、約10%が1年以内に、約30%が5年以内に脳梗塞を発症するといわれています。
《こんな症状》 |
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脳梗塞急性期における治療のポイントは、脳への血流が低下していても、まだ回復する可能性がある部位(ペナンブラ)をいかに救出するかという点にあります。その最たる治療が、2005年10月から日本でも認められた tPA 静注による血栓溶解療法です。
ただし、発症してから4.5時間以内に治療を開始する必要があり、適応にも多くの制限がありますが、上手く成功した場合のその効果は絶大です。ただし、脳出血を来たすリスクもあり、その場合の予後は不良となります。治療開始決定には迅速かつ慎重に判断する必要があります。
当院では24時間MRI検査が可能となっております。
脳血管障害を疑う場合は、まずMRI検査を行うことで確実な診断が行なえます。
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現在、急性期脳梗塞に対する治療の中心になっているのは、tPA静注療法でありますが、「発症から4.5時間以内」、「出血のリスクがない」といった条件があるため、この治療の適応外となる患者も多いのが現状であります。
こうしたケースでは、直接血管の中にある血栓を除去する、カテーテルと血栓除去デバイスを使用した血管内治療(機械的血栓回収療法)が行われております。当院でも、24時間このようなケースに対応できるよう下に図示するような血栓除去デバイスを常備し、血管内治療を行える体制にしております。
Penumbraシステム | Trevo(Stryker社) | SolitaireFR(Covidien社) |
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