大西脳外科クリニック

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O's News 2026年11月 第262号

「認知症」を正しく知る ~診断・治療・予防の最新事情~

認知症は、65歳以上の方の8人に1人がかかるといわれる身近な病気です。原因として最も多いのはアルツハイマー病で全体の約7割を占め、次いで脳梗塞などによる血管性認知症が約2割、そのほかレビー小体型認知症などがあります。また、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫のように、手術で良くなる認知症もあります。

アルツハイマー病は、アミロイドβというたんぱく質が脳にたまり、神経細胞を傷つけることで起こると考えられています(アミロイド仮説)。それだけでは説明できないことも多く、はっきりとした原因はまだわかっていません。

脳腫瘍・頭蓋底外科センター長   
髙橋 賢吉


診断には、認知機能のテストと頭部MRI検査を行います。MRIでは脳の萎縮の具合をみるほか、手術で治る認知症や脳梗塞がないかも確認できます。アミロイドがたまっているかを調べるにはPET検査や髄液検査が必要ですが、PETは費用が高く、髄液検査は腰に針を刺すため体に負担がかかります。

アルツハイマー病と診断された場合、早い段階であれば新しい薬(レケンビ、ケサンラ)による治療を検討します。脳にたまったアミロイドを取り除く点滴薬で、レケンビは2週に1回、ケサンラは4週に1回投与します。ただし病気を止めたり治したりする薬ではなく、進行を遅らせる効果があります。脳のむくみや出血といった副作用もあり、定期的なMRI検査が必要です。薬代は1年半で400万円前後と高額で(高額療養費制度により自己負担には上限があります)、海外では費用に見合わないとして公的医療で使われていない国もあります。なお、今年9月にはレケンビの皮下注射薬が承認されました。自宅で注射できるため、今後は通院の負担が軽くなりそうです。以前からある飲み薬や貼り薬は安価で、症状をある程度和らげる効果があります。

予防については、高血圧や糖尿病の治療、禁煙、運動、難聴への対策、人との交流などで、認知症の4割ほどは防いだり遅らせたりできる可能性があると報告されています。バランスのよい食事や十分な睡眠も大切です。



予防については、高血圧や糖尿病の治療、禁煙、運動、難聴への対策、人との交流などで、認知症の4割ほどは防いだり遅らせたりできる可能性があると報告されています。バランスのよい食事や十分な睡眠も大切です。