大西脳外科クリニック

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O's News 2026年1月 第252号

足底のしびれや痛みとその治療

 「足底の痛みやしびれ」は多くの人が経験しますが、慢性的なものは日常生活に支障をきたしやすく、さまざまな疾患がその原因になります。立位や歩行で体重を支える足底には多くの構造が複雑に関与しており、筋肉・靭帯・腱・骨・神経のいずれが障害されても痛みやしびれが発生します。
 しびれは神経の圧迫や血行不良によって生じることが多く、原因を正しく見極めることで適切な治療につながります。代表的な原因が「末梢神経障害」で、特に糖尿病性神経障害は血糖値のコントロール不良によって神経が障害され、足底にビリビリした感覚や感覚鈍麻が生じます。またビタミン不足やアルコール多飲によっても似た症状が見られます。
 「足根管症候群」も主要な原因の一つで、これは足首の内側にある足根管という狭いトンネルで脛骨神経が圧迫されることで発症します。長時間の立ち仕事や足関節への負担、外傷などが誘因になることが多く、足底の内側から指先にかけてのしびれや痛みが特徴的です。 
 「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などで坐骨神経が圧迫されると、その影響が足先にまで及び、足底のしびれとして感じられることもあります。
 

山本慎司

副院長 脊椎・脊髄センター長
山本 慎司

足底の痛みをきたすもので最も代表的なものが「足底筋膜炎」で、かかとから足指の付け根にかけて伸びる足底筋膜に繰り返し負荷がかかることで炎症が生じるものです。朝起きて最初の一歩が痛い、長時間歩くと痛みが強くなる、といった特徴がみられます。 「モートン病」と呼ばれる疾患では、足の指の付け根で神経が圧迫され、歩行時にピリッとした痛みや焼けるような痛みが出現します。これは靴の圧迫や前足部への体重偏重が原因となることが多く、特にハイヒールを履く人に多い傾向があります。  
 治療方法は原因によって大きく異なります。糖尿病性神経障害であれば血糖コントロールを中心に、必要に応じて神経の働きを調整する薬剤を併用します。栄養不足が疑われる場合はビタミンB群の補給も行います。足根管症候群に対しては、まず安静や装具による負担軽減、ストレッチなどの保存療法が行われ、症状が強い場合には神経の圧迫を取り除く手術が検討されます。腰椎由来のしびれでは、リハビリテーションや薬物療法、手術治療を行います。  いずれの場合も早期に適切な診断を受けることが重要で、しびれが長期間続く場合や歩行に支障が出ている場合は専門医の診察を受け、原因を明確にし、最適な治療につなげることができます。足底のしびれは放置すると悪化する可能性があるため、異変を感じた段階で積極的にケアを行うことが大切です。