大西脳外科クリニック

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O's News 2025年7月 第246号

偏頭痛(片頭痛)ってどんな頭痛?

偏頭痛(片頭痛)は、頭の片側がズキズキと脈打つように痛むのが特徴の頭痛です。中には両側が痛くなる人もいます。症状は軽いものから、日常生活に支障をきたすほど重いものまでさまざまで、日本では約840 万人が悩んでいるといわれています。特に20~40 代の女性に多く、月経周期と関係して起こる人も少なくありません。

偏頭痛は、脳の血管の拡張や周囲の神経の過敏反応が関係していると考えられています。光や音、においに敏感になるのも特徴の一つで、暗くて静かな部屋で休みたくなる人も多いでしょう。また、「閃輝暗点(せんきあんてん)」といって、視界にギザギザした光や点滅が見える前兆が出る人もいます。

発作は数時間から数日続くことがあり、日常生活が制限されるほどの痛みを伴うこともあります。ストレス、寝不足、天候の変化、強いにおい、特定の食べ物(チョコレートや赤ワインなど)が引き金になることもあるため、どんなときに起こりやすいか自分で把握しておくことが大切です。

治療には、大きく2 つの方法があります。一つは「発作が起きたときに痛みを抑える薬(急性期治療)」、もう一つは「発作そのものを起きにくくする薬(予防治療)」です。最近では、偏頭痛専用の治療薬や注射薬も登場し、より効果的な治療が可能になっています。

頭痛が頻繁に起こる、痛み止めが効かない、日常生活に支障が出るようなら、自己判断せずに一度医師に相談することをおすすめします。偏頭痛はきちんと診断・治療すれば、コントロールできる病気です。無理せず、自分の体の声に耳を傾けてあげてください。

三好 教生

脳神経外科部長
三好 教生