MRガイド下 集束超音波治療 FUSについて |
本態性振戦やパーキンソン病 による手のふるえの症状で お困りの方へ |
はじめに
「手がふるえて字がうまくかけない・・・」 |
紹介動画
|
ふるえの種類ふるえはよく経験する現象です。ふるえには、人前に出て緊張したときや寒いときなどに出る生理的で正常なふるえもありますが、脳神経や内科の病気が原因のふるえもあります。病気が原因のふるえの場合、治療により症状の改善が期待できます。
■生理的振戦 ふるえで一番多いのが生理的振戦と呼ばれる正常なふるえです。
■甲状腺機能亢進症 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、ふるえの他、動悸や息切れ、汗をかきやすくなるなどの症状がみられます。バセドウ病が代表的な病気です。 ■アルコール依存症 お酒の飲み方のコントロールができなくなり、アルコールに対し精神的、身体的に依存してしまうこころの病気です。ふるえの他、汗をかきやすくなる、動悸、睡眠障害、不安感などの症状がみられます。 |
本態性振戦とパーキンソン病本態性振戦とパーキンソン病は、ふるえを起こす代表的な脳神経の病気です。本態性振戦はふるえのみを症状とする病気ですが、パーキンソン病はふるえ以外にも、動作がゆっくりになる(動作緩慢)、筋肉が強ばる(筋強剛)、姿勢が不安定になる(姿勢保持障害)などの症状がみられます。ふるえ特徴としては、本態性振戦のふるえが、文字を書く、箸やコップを持つときなど、動作時や姿勢時にみられるのに対し、パーキンソン病のふるえは、じっとしているとき(安静時)にみられます。
本態性振戦とパーキンソン病のふるえ特徴
|
本態性振戦とはふるえは医学的には振戦と呼ばれ、身体の一部が自分の意志とは関係なく規則的に動いてしまう状態を指します。本態性とは「原因がはっきりしない」という意味の医学用語です。
本態性振戦の治療は薬物療法から始め、十分な効果が得られなかったら、手術療法なども考慮します。合併症や副作用なども考慮して治療法を選択していきます。
|
本態性振戦の一般的な治療法薬物治療 軽度、中等度の本態性振戦の治療には薬物療法が一般的です。
■β遮断薬 軽度、中程度の本態性振戦の治療には薬物療法が一般的です。交感神経の高ぶりを抑えるように作用することでふるえを抑える、β遮断薬のアロチノロールが保険適用となっています。
手術療法 薬物療法で十分に効果が得られない場合や、薬の副作用で服用が困難な場合には手術療法が検討されます。
■高周波凝固術(RF) ふるえの原因となっている異常な神経信号を、脳の視床にある神経回路を熱凝固により壊すことで、ふるえの症状を軽減する治療法です。頭蓋骨に小さな穴をあけて熱凝針を刺入し、治療部位を高周波で熱して凝固します。 ■脳深部刺激療法(DBS) ふるえの原因となっている異常な神経信号を、脳の視床にある神経回路へ電気信号を流して異常な神経信号を邪魔することで、ふるえの症状を軽減する治療法です。頭蓋骨に小さな穴を開けて刺激電極、胸にペースメーカのような刺激発生装置を植え込みます。 |
パーキンソン病とは中脳の黒質という場所にある、ドパミン神経細胞が減少し、作られるドパミンが減ることで、体の動きをスムーズに制御することが難しくなる原因不明の神経の病気です。パーキンソン病の主な運動症状は、ふるえ(振戦)、動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害です。ふるえは安静時の振戦が特徴で、座って膝の上に手を置いているときなどに起きます。 患者さんの数は日本国内で約16万人、1000人に1人から1.5人と言われていますが、高齢者に多く、60歳以上では100人に約1人との報告もあります。 〈出典:厚生労働省 平成29年患者調査〉
パーキンソン病の治療は薬物療法が基本ですが、薬物療法で十分な効果が得られない場合には、手術療法が検討されます。合併症や副作用なども考慮して治療法を選択します。 |
パーキンソン病の一般的な治療法薬物治療 ドパミン神経細胞の減少により少なくなったドパミンをLドパというお薬で補充します。ドパの作用を高めるため、Lドパが脳に届く前にドパミンに変わったり分解されたりするのを防ぐ阻害剤や、ドパミン神経以外に作用するお薬を併用するのが一般的です。
手術療法 薬物療法で十分に効果が得られない場合や、お薬の効いている時間帯が短くなってきた時には手術療法が検討されます。
■高周波凝固術(RF) ふるえの原因となっている異常な神経信号を、脳の視床にある神経回路を熱凝固により壊すことで、ふるえの症状を軽減する治療法です。頭蓋骨に小さな穴をあけて熱凝針を刺入し、治療部位を高周波で熱して凝固します。 ■脳深部刺激療法(DBS) ふるえの原因となっている異常な神経信号を、脳の視床にある神経回路へ電気信号を流して異常な神経信号を邪魔することで、ふるえの症状を軽減する治療法です。頭蓋骨に小さな穴を開けて刺激電極、胸にペースメーカのような刺激発生装置を植え込みます。 |
FUS(MRガイド下集束超音波治療)とは?超音波発生素子が埋め込まれた治療ヘルメットに患者さんの頭を固定し、ふるえの原因となる神経回路である視床腹側中間核に超音波を集束させ熱凝固します。
超音波は頭蓋骨を貫通するため、従来の手術療法のように頭蓋骨に孔をあける(穿孔する)必要がありません。そのため出血や感染症のリスクは少ないと考えられます。
MRガイド下集束超音波治療は、本態性振戦やパーキンソン病による、手のふるえの症状軽減を目的とする治療法です。病気そのものを治す根治治療ではありません。 |
FUS(MRガイド下集束超音波治療)の特徴
|
治療の流れ①治療前の検査
②治療の準備(治療室入室前)
③治療の準備(治療室内)
④治療開始
⑤治療中
⑥治療終了
⑦退院後
|
治療に関連するリスクと副作用について
治療出来ない場合
|
治療にかかる費用について■公的医療保険が適用されます FUS治療(MRガイド下集束超音波治療)は、高額療養費制度の対象となっています。これは医療費の負担が重くならないよう、一か月に窓口で支払った自己負担額が高額になった場合、上限額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
■難病医療費助成制度(パーキンソン病) パーキンソン病の患者さんで、ヤール重症度3度以上、生活機能障害度2度以上の方は、難病医療費助成制度の対象になります。この助成を受けるには、都道府県からの指定された医療機関で治療を受ける必要があります。また軽度の患者さんでも高額な医療の継続が必要な場合、特例措置があります。詳しくは加入している公的医療保険や当院受付窓口へお問い合わせ下さい。 |
よくあるご質問
|
お問い合わせ先
|
|||
こちらから「名医を探せ!!」の平林秀裕先生ウェブページがご覧いただけます。 |