大西脳神経外科病院

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明石駅前クリニック
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言語療法室

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言語療法室

【言語聴覚士とは】

 言語聴覚士:STとはSpeech Language Hearing Therapistの略です。1997年に国家資格となりましたが、職業としては約40年の歴史があります。

 言語聴覚士の仕事は、ことばを理解したり話すことが出来なくなったり、うまくコミュニケーションができなくなった方(失語症・運動性構音障害)、またコミュ二ケーション以外に高次脳機能障害(記憶力や注意力、遂行機能などの障害)、認知機能などの障害を患った方に検査や治療など通じて能力の維持向上を目指します。その他に飲み込みが困難になった方(摂食・嚥下障害)に対して個別に応じた方法で治療・訓練を実施します。【日本言語聴覚士協会から引用】

 

【言語療法室内観】

 

 

 

失語症

 一旦獲得された言語機能が、大脳(主に左半球)の損傷によって障害された状態です。話す、聴く、読む、書く、計算、といった言語機能のすべての側面に何らかの障害が現れます。

 

運動性構音障害

 発声や構音に関する器官(舌、唇、咽頭、声帯etc)に運動麻痺が出現し、呂律がまわりにくくなる状態です。失語症と異なり、主に話すことに障害をきたします。

 

 

摂食・嚥下障害

 私たちは食事をする際に食べ物を見て、口の中へ運びます(摂食)。そして噛み砕いて、唾液と混ぜ合わせて、食物を飲み込みやすい形態(食塊)にします。その食塊は舌を使って喉(咽頭)へ送られ、飲み込みこんで(嚥下)、胃に送り込みます。摂食・嚥下障害とは、これらのいずれかの段階で問題が生じることを言います。飲み込みを誤った場合には、窒息やムセ、誤嚥性肺炎となる恐れがあります。

 

 

【当院の言語聴覚療法】

 当院は発症直後より、ベッドサイドから評価や訓練を行い、退院時まで専任の言語聴覚士とマンツーマンにて行われます。また必要に応じて退院後も外来にて継続して関わっていきます。

 

 

【コミュニケーション】 

 言語障害(失語症や構音障害)を呈した患者様に物品や絵カードを用いた訓練だけでなく、ジェスチャーやコミュニケーションノートなどの非言語コミュニケーションを導入することにより、日々の生活の中から患者様のコミュニケーション能力を引き出します。

 

 

 

 

【食べること・飲むこと】 

 摂食・嚥下障害を呈する患者様は少なくありません。超急性期より摂食・嚥下機能の評価/訓練を行います。窒息や誤嚥性肺炎の危険があるため食物形態や姿勢などの環境調整はもちろん、PT/OTと連携を取りながら訓練を行います。毎日リハビリカンファレンスを行い、患者様の情報交換をします。

 

 

 

 

 

【嚥下造影検査】 

 嚥下障害を呈された患者様を対象に嚥下造影検査(VF)を実施しております。当院では嚥下障害看護認定看護師と共に機能評価・治療計画立案を実施しています。

 
 

 

 

【鈍音・語音聴力検査】 

 必要に応じて、聴力検査を実施します。年齢を重ねて聞こえにくくなる老人性難聴や、聴神経腫瘍等の脳神経疾患により難聴を呈した方を対象に実施しています。

 

 

 

 

【NST(Nutrition Support Team)】 

 NST委員会(回診)に週1回参加しています。NSTとは医師・看護師・栄養士・薬剤師・言語聴覚士による、経口・輸液・経腸栄養を含めてトータルで栄養サポートを行う多職種の集団(チーム)です。

 

 

 

 

【新人の声】

 「弱みを強みへ」

 みんなと同じように綺麗にスムーズに話したい。
 この言葉は以前まで私が抱いていた気持ちであり、今でもその気持ちは少し残っています。私は幼少の頃から吃音があり、言葉に詰まることがあります。思春期や学生時代の頃は、冒頭のような気持ちが強かったです。しかし、周囲の人々や患者と関わり、スムーズに伝えることよりも大切なことがあることを学び、気付くことができました。この経験や思いがSTとして言葉の障害で悩む患者と関わる上で、自分にとって一番の強みであると思います。
 私は2024年1月より当院へ入職しました。以前は心疾患やがん、透析治療などの様々な疾患の方を診ていましたが、その中でも脳卒中治療に興味を持ち当院で働くことを希望しました。
 脳卒中を発症された方は、これまで当たり前のように出来ていたことが、ある日突然出来なくなります。自分の好きなご飯を食べること、友達や家族と笑いながら話すこと、今日起きたことを思い出として記憶に残すことなどが出来なくなり、患者や周りの家族の悲しみは計り知れません。医療人として、日々その悲しみを忘れずに診療にあたりたいと思っております。日々の診療では、病態の把握や治療で悩むことが多く、STのみならずPTやOTの方々、他部署の方々と連携しながらアプローチを行っております。いち早く、皆様から頼られるSTになれるよう日々精進して参ります。

O.Y.


【先輩の声】

 言語聴覚士は、摂食嚥下障害や失語症、構音障害、高次脳機能障害や失語症、摂食嚥下障害、構音障害といった脳血管疾患に由来する症状に対応することが多く求められます。脳神経に特化した病院だからこそ、「飲み込みにくい、言葉がうまく出ない、呂律が回らない、記憶力が悪くなった」といった患者様の多様な困りごとにセラピストとして関わることができるのは大きなやりがいです。とくに構音障害や音声障害の治療にやりがいを強く感じており、治療後に「喋りやすくなった。ありがとう!」と喜んでくださる姿を拝見したときは、とても嬉しい気持ちになります。治療方法によっては症状の改善の有無が変化するだけでなく、悪化する恐れもあるため、より良い治療ができるように日々研鑽を積んでいきます

N.N.