脳卒中センター
センター長ご紹介
大西 宏之 脳卒中センター長
日本脳卒中学会専門医 |
はじめに
大西脳神経外科病院 脳卒中センターでは、すべての脳卒中患者さんに24時間、365日対応しています。脳卒中の診断に必須であるMRIが24時間稼働しており、常に正確な診断とそれに基づく治療が脳卒中専門医により行われます。
脳卒中治療は時間との戦いになることが多く、病態に応じた治療を直ちに開始する必要があります。薬物による治療だけでなく、外科的治療、更に最近では血管内治療も行われることが多くなっています。そのため、各患者さんに最適な治療が行えるように脳卒中専門医による各チームが24時間常に対応できる体制をとっています。
脳卒中センター内にはSCU(ストロークケアユニット)が6床あり、急性期の脳卒中患者さんの病状に即応できるよう専門医療スタッフがチームを組んで計画的に治療を行っています。
チーム医療、地域連携
脳卒中では意識障害、運動麻痺、感覚障害、言語障害、嚥下障害など様々な症状を伴っています。そのため、入院当初からリハビリテーション科の理学療法士、作業療法士、言語療法士による治療も開始します。特に脳卒中後の肺炎はその後の治療に大きく影響するため、その予防のためにも理学療法を入院早期から行っています。また、脳卒中の原因となった基礎疾患のためたくさんの種類の薬を内服されている場合が多く、センターに専任の薬剤師さんが薬の管理を行っています。基礎疾患に応じた栄養管理も非常に重要でそのために栄養士さんが食事栄養の管理を行います。脳卒中の場合、急性期治療だけではなくその後の機能回復のための長期的なリハビリテーションが必要になることが多く、治療が途切れる事なく継続できるように地域連携室が回復期病院とのシームレスな連携を築いています。
発症からの経過時間がポイント
脳梗塞の治療開始は発症から早ければ早いほど良く、t-PAによる血栓溶解療法は発症から4.5時間に以内に始める必要があります。来院までに既に時間が経過している場合が多く、診断から治療開始までの時間的余裕はありません。そのため、救急搬入から治療開始までの時間短縮のため病院一丸となって取り組んでいます。また、t-PAで効果が得られない場合、直ちに血管内治療による血栓回収療法が施行できる体制が血管内専門医チームにより整えられています。
2018年の実績(2021年1月から12月まで)
脳血管障害の入院数 1,400人
脳梗塞・一過性脳虚血発作 752人
脳動脈瘤 248人
高血圧性脳血腫 140人
頸部頸動脈狭窄症 107人
脳血管解離 30人
モヤモヤ病 24人
頭蓋内動脈閉塞性病変(モヤモヤ病以外) 16人
非高血圧性脳内血腫(モヤモヤ病と血管奇形を除く) 26人
硬膜動静脈瘻 27人
その他の血管障害 7人
脳動静脈奇形 9人
頭蓋外動脈閉塞性病変 9人
海綿状血管奇形 3人
脳静脈洞血栓症 2人
t-PA治療件数 52件
t-PA治療 52件
血栓回収療法 82件
t-PA治療の脳梗塞に対する割合 7.5%
頸動脈狭窄病変に対する治療(内科的治療以外)
頸動脈内膜剥離術 0件
頸動脈ステント留置術 92件
脳血管障害に対する手術総数 380件 (外科88件、血管内292件)
脳動脈瘤手術 22件
脳動静脈奇形摘出術 5件
脳血管バイパス術 8件
脳出血除去術 30件
その他 23件
脳動脈瘤コイル塞栓術 104件
脳動静脈奇形塞栓術 14件
血栓回収療法 82件
頸動脈ステント留置術 92件
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